自然の道 349 管長 巫部祐彦
運勢(H.21〜) (御教誡は、一連の題が終了後再開)
(古神道・神理教を“本教”と記します)
令和2年のお正月を、共に迎えることが出来ました。皆様、お目出度うございます。
昨年は5月から元号が変わりました。
今年は庚子の年となります。庚(金の兄)は面足神、子(水の弟)は豊雲野神、冷えた金が水の粒を生じるような相生となります。
運勢(=気象)の流れ
近年を振り返ると、平成28・29年は、火の熱が金を溶かし崩すような相克でした。
しかし、良く見れば火で金(金属製品)を作るような創造の年でした。
30年は同じ土で、良い時と悪い時の差が大きいとされる比和でした。
31年は土が水を濁すような相克ですが、水で土を捏ね合せて、新たなものを創造する年でもありました。
皆さまには如何だったでしょうか?
・先ず外国の様子と対外関係を振り返ります。
支那の尖閣諸島への領海・接続水域への侵犯は、昨年から余り騒がれないものの、減ることはなく、月に何度も繰り返されています。
又、尖閣のみでなく沖縄も領土であると宣言し、台湾併合を睨んで選挙干渉を行い、南シナ海の領土化も着々と進行させています。
又、香港やウイグル・チベット族の抑圧・虐待を強め、独裁政治への世界潮流の中心になるように感じます。日本が習近平国家主席を国賓招待するのに批判もありますが、そこには支那スパイの暗躍等も囁かれています。
米大統領はロシア連邦やイラクへの経済制裁と共に、中国とも経済戦争を続けています。
韓国では、1月に徴用工の賠償訴訟で新日鉄住金の資産差し押えが決定し、日本と慰安婦やレーダー照射の有無でも争われました。
2月には、平成天皇陛下に韓国国会議長が戦争主犯の息子としての謝罪要求をしました。
7月に日本はフッ化水素の韓国輸出に規制を掛け、互いにホワイト国を外し合う等、戦後最悪と言われる対立が続いています。
軍事情報を提供し合うGSOMIA破棄は回避されたものの、双方の国民の後押しに主張が譲れず、信頼関係も薄れています。
双方に言い分が有る事を認め合い、論破や怨念を人気取りに使うような発想は止めて、現実の相互利益に目を向けたいものです。
北朝鮮は、飢餓や反乱の危機を抱え乍ら、長距離ではないものの、高価なロケットを花火のように放ち続けています。
英国は欧州連合からの離脱を進めています。
日本は6月に国際捕鯨委員会(IWC)を脱退し、7月より商業捕鯨を開始しました。
・次に国内に目を向けます。
5月1日より元号が令和と改まり、10月22日に即位礼正殿の儀が行われ、11月14・15日に大嘗祭が行われました。
気象は、1月に熊本で震度6弱・2月には
北海道胆振地方で震度6弱・6月には新潟県村上市で震度6強の地震が発生しました。
9月に観測史上最強の台風15号が、10月には15号の6倍の大きさの19号が関東・東北に甚大な被害をもたらしました。
11月は鹿児島県硫黄島で、噴煙が1千メートルにも達する噴火が発生しました。
社会事象は様々ながら、家庭内の虐待やあおり運転被害の露見する数が増えました。
5月は川崎市で小学生や保護者を無差別殺傷、7月は京都市で放火され36人が亡くなるなど、異常者による事件も起きました。
政治面では、7月に参議院選挙が行われ、政権与党が過半数を得たものの、改憲勢力は改正に必要な3分の2に達しませんでした。
9月には第4次安倍第2次改造内閣、並びに自民党新執行部が発足しました。
10月1日より、消費税が10%になりました。
明るいニュースとして、10月吉野彰氏のノーベル科学賞受賞が決定しました。
8月にゴルフの渋谷日向子が全英オープンで優勝し、バスケットの八村塁も本場のアメリカで活躍しています。
又、日本開催のラグビーワールドカップで、日本はベスト8に入り、卓球も世界の頂上に登る他スポーツが盛り上がりました。
衝撃と悲しさを覚えたのは、ペシャワールの会の中村哲氏が襲われて死亡した事でした。
吉凶・悲喜交々の平成31・令和元年でしたが、今年はどうなるのでしょう。
今年の吉凶と心得
60年前の庚子である昭和35年は、池田勇人
第一次内閣が成立しました。
所得倍増計画が打ち上げられ、カラーテレビが発売されました。
チリ地震が太平洋を越えて東北の三陸海岸を中心に津波被害をもたらしました。
その他の庚子を見ると、地震や台風や戦争や一揆や騒動等比較的少ない物の、起る時は大きな災害となっています。
昨年の元号の改まりで新しい息吹も感じますが、10%に上がった消費税から、経済の冷え込みも心配されます。
私達は世の為人の為に尽し、それが還元され、豊かな生活と心で過ごしたいものです。
金兄が水弟を生じるという、相生の幸運をバネとして、一層飛躍の年としましょう。
来年以降
来年は辛丑、辛(金の弟)は綾惶根神、丑(土の兄)は宇比遅邇神、土から金を取り出すような相生です。二年連続の飛躍の年となりそうですから、風を孕む凧のようになれるべく、準備を整えましょう。即ち、
1.罪(=七罪-怠・詐{嘘}・貪・憤・慢・憂・怨)を犯さず。2.不意犯した罪を祓う。
3.産土神社や教会や本院で神の気を戴く。
4.徳(=八徳-健康・誠実・陰徳・施捨・労役・愛他・克己・自白)を一つでも弛まず積む。
以上の四つを、丁寧に繰り返しましょう。
この幸福への道程を踏み守れば、直ぐにでも開運を楽しむ事が出来るでしょう。
この世を神世とするのは御教祖の願いですが、私達は、先ず本院・教会の神前を、同時に家庭と周囲が神世となるように励みましょう。
(つづく)