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                                                          2013−5

平成25年5月号  No.1191

        

                 自然(おのずから)の道(みち)

管長 巫部 祐彦

祓い4.(幸福への言霊)

 幸福への道程は、1.七罪を犯さない。2.自分や先祖の罪を祓う。3.神気を戴く(長呼吸法)。4.八徳を積む。心掛けです。
   (古神道・神理教を“本教”と記します)

 冒頭2.(はらい)の付属として、先月の善い言葉をもう少し深めてみたいと思います。

(せい)(めい)(しょう)(じき)(だく)(あん)(じゃ)(きょく)の言葉((こと)(だま))

 (きよし)(あかし)(ただし)(なおし)(にごり)(くらし)(よこしま)(まがる)とも読みます。

 ()い言葉は、普段の(こと)(だま)として意識して使うと、自分の心も清くなり、周囲の人に好かれ信頼を得ます。悪い言葉は、自分の心も(にご)らせ、周囲の人に(うと)んじられ(さげす)まれます。

 善い言葉は、祝詞や唱え言葉と共に(はっ)(とく)((けん)(こう)(せい)(じつ)(いん)(とく)()(しゃ)(ろう)(えき)(あい)()(こっ)()()(はく))に関わるものです。

 悪い言葉は、(しち)(ざい)((おこたり)(いつわり){(うそ)}(むさぼり)(いきどうり)(たかぶり)(うれい)(うらみ))に関わるものです。ここでは、普段善い言葉を使う為に、お勧めとその反対の言葉を筆者の主観で()(れつ)してみます。

 

(せい)(めい)(しょう)(じき)           (だく)(あん)(じゃ)(きょく)

・感謝や感動の(こと)(だま)

有り難う。 放っといて・あなたに関係無い。

神・祖・親に感謝。 天に唾を吐く・不平不満。

感動のため息。 あきらめ・不機嫌の舌打ち。

感激・美しい・綺麗。 無関心・臭い・汚い。

 感謝は、信仰の三原則(感謝・反省・奉仕)の一番目でもあり、大切な言葉・心掛けです。

・前に向かう言霊

幸せ・安心・充実。 不幸・不安・ダメ・不満。

楽しい・ 嬉しい・明るい。 苦しい・悲しい・暗い。

快適・面白い・素晴しい。 痛い・つまらない。

生を(まん)(きつ)・長生きしたい。 不足・死にたい。

 大変な時もありながら、それを含めて人生を楽しむ気持ちが大切です。不安ばかりを(つの)らせても、物事は前に進みません。

“楽しみ”の(ほん)(げん)(その言葉の持つ本来の意味)は、“(たまわ)り・(ぬし)”即ち神・祖先・親です。

 (たまわ)(ぬし)である神・祖先・親と自分の目的が一緒であるという(しん)(ずい)を悟った時、真の自由と喜びを得ることが出来るのです。

 来月述べますが、遺伝子が生物を操るか否かの論議と同じで、神祖が人を操るか否かについて、筆者は自由を主張します。基本・方向性は神でも、加減や工夫などの裁量は神の子孫である人がすると考えるからです。

 

・素直で粘り強い(こと)(だま)

はい=拝・承諾。 負担だ・拒否・しない理由。

出来る・簡単だ。 困難だ・難しい・無理。

挑戦します。 どうしよう・やりたくない。

やってみよう。 やってられない。

あきらめない。 どうせダメ・どうでもいい。

 痛いや無理等は言って直るものでなく、益々(つら)くなるだけです。

 出来ない時、前に進めない時もありながら、誰にでも必ず進む事が出来る機会が訪れます。

 そのチャンスをあきらめずに準備をしながら待ち、来たなら着実に取り掛かることです。

・意欲を出す言霊

やることありますか。 忙しい・面倒くさい。

また(まだ)やろう。 疲れた。もう嫌だ。

これでもか・もう少し。 もうこれで充分。

もっとやりましょう。 早く帰ろう・きつい。

 例えば葬儀等に表出する罪は、悲しすぎて生きる意欲を失う事です。いつも述べることですが、塩を使ってこれを祓うのは日本人の信仰の文化です。これらの言葉は、塩と同じで罪を祓い意欲を盛り立てるのに大切です。

・人を高める言霊

よく出来たね。 なぜ出来ない(やらない)の。

やったね・明るい顔。 出来ない(はず)・不満顔。

まだお若い・大丈夫?。 もう年だ・無視。

元気でね・又会いましょう。 行きたくない。

元気出してね。 もっと頑張って。(突き放し)

精が出ますね・お疲れ様。 無駄働き・損した。

よくされ(気・体働き)ます。 やっても一緒。

出来た理由・長所・目的。 言い訳・短所・(まん)(ぜん)

『声掛けは肥掛け』と言われます。人に声を

掛ける時は、相手に心地良く元気になる言葉

を掛けたいものです。元気は自然に出るもので、頑張って無理矢理出すのは不自然です。

・人を心地良くする言霊

させて頂く・快く(こころよ) してやる(やった)・嫌々。

()()い・心地良い。 ()()い・暑い・寒い・痛い。

祝福(おめでとう・お幸せに等)。 (のろ)い。

素敵だ(偉いね)。 (ののし)り(ばか・のろま・等)

いいですね。 つまらない・却下。

信頼します(したい)。 信用出来ない。

 一般に()()(じつ)(げん)(夢が(かな))が最高の喜びとされますがもっと上があり、それは家族や社会に役立つ又、感謝され認められる喜びです。

 人に(こころよ)く接すると、自分も心地良くなるのは、現代に忘れられそうな“(さと)り”です。

 この意味で、職業に()(せん)はないのです。

 少々(つら)い時でも、幸福になる道ですから、まず心から替えるつもりで、勇気を(ふる)って上段を声に出しましょう。必ず形も変わります。

 心を(しぼ)ませて下段の言葉等を使わないように決意しましょう。