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                                                          2013−12

平成25年12月号  No.1198

        

                 自然(おのずから)の道(みち)

管長 巫部 祐彦

神気を戴く(長呼吸法)1

 幸福への道程は、 1七罪を犯さない。
 2.自分や先祖の罪を祓う。 3神気を戴く (長呼吸法 )。 4八徳を積む。心掛けです。
   (古神道・神理教を“本教”と記します)

 

 今月から、冒頭3.(しん)()を戴く((ちょう)()(きゅう)(ほう))をお伝えします。その前に、

(ばん)(きょう)(どう)(こん)

 あらゆる宗教に共通しているのは【神】の存在を基本とする(ばん)(きょう)(どう)(こん)です。()(はぎ)(なお)()氏の著作《人は死なない》の引用ですが、どんな宗教もこれを否定する事は出来ません。

 しかし、だからと言って全ての宗教を皆一緒だと決めてかかる考えは乱暴です。例えば、

 (じゅ)(きょう)に『怪力乱神を語らず』があり、(じょう)()()((しょう)(じょう))仏教も同じく人の理性が主体です。

 是等は理性で努力や修行をする者のみが知性や悟りに達するのであり、祈ったからそれが通じたという不可思議は認めない立場です。

 又、キリスト教やイスラム教等の一神教はそうした自然の神を()(てい)しています。

 (ばん)(きょう)同根(こう)(てい)しても、自己の主祭神の

優位を()(ちょう)する余り、この原点を見失っては、教理は不自然でこじつけになってしまいます。

 日本の神道(自然の道)は縄文時代(一万六千五百年〜三千年前)に骨格が出来上がったと言われています。自然と祖先とを崇拝する神道人は、(ばん)(きょう)同根を肯定することでしょう。

 要は、同根をどう素直に受け止めるかです。

本教に伝わる神術の数々

 本教の教義大系はこの点自然で無理が無く、(こう)(まい)()にも(かな)っています。

 目的を、1)全ての人の安心(=御先祖と本人と()(そん)(れい)(こん){=()(こん)}の安定)2)心の働き(武力以外)で、現世を神世と成す(=社会繁栄・世界の平和実現)と受け止め、その為に、

 大系は、1)(しゅ)(さい)(じん)(皇室・人類共通の先祖)(はい)()(しょ)(じん)(先祖神を含む)2)教理3)神術 4)教統5)教祖(日誌・言動)、と構成されます。

 (もの)(のべ)(かんなぎ)()()に伝えられ何度も世に役立てられた教えを、明治の始めに御教祖が再体系化したバランスは至上です。

 その中で生活に活かしやすく簡略化したものが表記の4つ、幸福への道程です

 今月はようやくその3.(しん)()を戴く((ちょう)()(きゅう)(ほう))に達したのですが、これは大系の3)神術の一つです。

 神術に限っても、(ちん)(こん)(きん)(えん)()(くさの)(かん)(だから)(かんなぎ)()(かむ)(うらない)()()()()(しん)(でん)(かま)(なり)(しん)(すい)()(ほう)・祝詞各種他多数ある中に、(ちょう)()(きゅう)(ほう)があります。

 

(ちょう)()(きゅう)(ほう)(ほう)(=(ちん)(こん){(しん)}(ほう))

 (ちょう)()(きゅう)(ほう)はその他の神術に比べ、簡易で一般に使いやすい割に効果的なことから、本教でも基本的な神術です。

 (ちょう)()(きゅう)(ほう)の基本は、先ず()く事を(かん)(よう)とします。産婦人科や精神内科等の医学でも使われ、又他教にも伝わっていることでしょう。

 しかし御教祖は皇国医道の大家でもあり、家伝と医学と宗教を(ゆう)(ごう)させた最も効率の良い手法が伝えられていると確信します。

 色んな教書で紹介され、御存知の方も多いとは思いますが、お()()いと思いもう一度見直す気持ちで、ご一緒に確認しましょう。

 ここでは、教書『暗夜の灯台』から、要点をまとめて紹介します。

・効用1(身体の健康)

 脳・肺・心臓病、虚弱な者も壮健になる。

・効用2(精神の健康)

 集中・記憶力の増進、健全な精神・静かな心。

 安心(=四魂の安定)、鎮心。

 以上、心身が健康になれば自然と運勢も上向き長命と幸福を得る。

 信仰と共に一心に行えば(わざわ)いは消滅し、医薬の効果を促進し病気を治す大きな力となる。

・方法

 ゆっくりと長い深呼吸をする。

 自分の体を(とっ)(くり)と思い、体内の空気を新鮮な清い霊気に入れ替える。

@(吐く)口より(いん)の気をゆっくりと吐き出し、同時に下腹をへこませ、体の中を空にする。

A(吸う)鼻より神(=(よう))気をゆっくりと吸い込み、同時に下腹を(ふく)らませ、その気を(たん)(でん)((へそ)(した)約9p)に鎮める。

B(止める)なるべく長く息を止め、下腹に力を入れる。又は、大気を臍の下に鎮め、全身に力を入れると、気が体中に行き渡る。

C(吐く)その時口を小さく開いて、なるべく静かにゆっくりと、気を吹き出しながら下腹をへこませる。(手を合わせると一層効果的)

 体中の(じゃ)()(あっ)()(だっ)()・病災とその種を、残らず(しぼ)り出し吐き出す決心で神に念ずる。

 体中の汚れた炭素を残らず吐き出せば、(すす)いで中が()(れい)になった徳利に、新しく清い水や酒を入れられる。吐けば吸うという自然の力で次々に神様の霊気、即ち陽気が戴ける。

 最も静かな心を以て(おや)(がみ)(さま)(天在諸神)に、

『清き霊気を与え給え。その霊気により自分の体内に(にご)る、一切の災いの根を祓い給え。』と念ずる。この心で@〜Cを繰り返せば、段々無念夢想となり、神様と同質の心となれる。

 これが精神統一で、そこでその神の気を持って心が(そう)(かい)になる。     (以下次号)