開運の凧揚げ
(古神道・神理教を“本教”と記します)
今年の気象
平成二十四年(閏年)のお正月を迎えることが出来ました。お目出度うございます。
今年は壬辰、壬は国常立神で水の兄・辰は宇比遅邇神で土の兄です。
来年は癸巳、癸は豊雲野神で水の弟・巳は大戸之遅神で火の兄で、相克が三年続きますが悪い年とは捉えません。
振り返ると平成二十年は土に水を含み創造物の材料が出来、二十一年は土・土で基礎固めの年でした。
二十二・二十三年は続いて金で木を削るように、道具や組織が形成される年でした。
今年は水に土を入れて土地を広げて開拓し、昨年出来た道具や組織を水と土をこね合わせるようにして、一層大きな物を作る年です。
とすると、先ず発展の為のインフラ(国民福祉の向上と国民・経済の発展に必要な社会基盤)の整備の年となります。
まさに昨年三月の東日本大震災や九月の紀伊半島の台風12号の被害の復興と併せた、災害にも強い社会基盤の整備が望まれます。
復興やインフラは国の仕事とは言え、私達は心を合わせ祈りや募金や節電等、出来る事に取り組むよう心掛けましょう。
そして来二十五年は水を火で湧かし食物を調理するように、生まれる命に必要な様々な物を作る年となります。
今年の吉凶
今年はどのような年になるのでしょうか。
前回の壬辰の昭和27年は戦後の混乱も治まりつつあり、自衛隊の原型が出来・対日講和条約や日中貿易協定等が交わされました。
一方、絹糸相場の暴落や炭労等のストが頻発し、日航機の三原山墜落事件が起きました。
その他の壬辰の年を辿ると、文化や医学の発展・外国との交流の一方、大風・洪水・大火・疫病・スト・打毀し・一揆が目立ちます。
そこで今年は、善い面の文化・医学の発展や外国との交流を享受し、悪い面の災害や社会不安に気を付ける年としましょう。
今年も私達はまず出来る部分で悪を防ぎつつ善を進め信仰と仕事に励み、健康で豊かな年となりますようお祈り申し上げます。
自分の凧揚げ
朝の神拝式で今月号の話題に意識を向けた時、最近は見る機会が減ったものの正月の凧揚げの様子が目に浮かびました。
その時、家庭や社会での生活の中でも凧揚げをしているなと考えたことです。
凧は放っておいて揚がるものではなく、風が吹いても右に左に吹かれ乱れてひっくり返る等、見られたものではありません。
やはりバランスが取れるよう形を整え、風を見て糸を手繰ったり弛めたりして、ようやく空に舞い上がります。その辺りを上手にしないと、バランスを崩し直ぐに落ちてしまいます。自分の人生にも似ています。
凧揚げも人生と同じく本来楽しいものですが、揚がらないと嫌になってしまいます。
ご自分の人生も凧と同じように少し単純化して考えられて、自分の心身のバランスを考えたり、世間の風を読みたいものです。
その為には、自分ばかりが揚がろうとしても難しい事を知り、世間の風を吹かせる方法を考えたいと思います。
家族・仲間の凧揚げ
私達はつい自分の事ばかりを考え、他人から何をして貰うか・貰ってない不満を考えがちです。これでは人生の凧は揚がりません。
例えば家族や仲間に心身の障碍があって、見るからに悲しみ苦しみの底に低迷する人がいるとしましょう。本教の教えに、
『心身の障碍がある家族は、健常な他の家族の罪穢れを代わりに背負ってくれているのだから、その人を家の宝として大切にするべき』があります。これは社会でも同じで、
『そうした弱者を大切にすることで、家庭や社会の罪が祓われそこに開運がやってくる』という教えです。そこで私達は家族や仲間が障碍であるなしに関わらず、常に快適に過ごせるよう心を砕くことが肝要です。
それが無償の行動であればあるほど、
“天網恢々疎にして漏らさず”で善いことも認められ、神と相手の祖先に喜ばれることから、開運の世間の風が吹いて来るのです。
開運の凧揚げ
相手に感謝や報酬を求める必要はなく、知らずに揚がった自分への好意の元を見れば、別の人から送られて来ることもあります。
こうして家族同志・仲間同士で風を送り糸を手繰り合う、神の世を作りたいものです。
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2012−1