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                                                          2011−7

平成23年7月号 第1169号

        

自然(おのずから)(みち)  管長 巫部(かんなぎべ)(さち)(ひこ)

 

(古神道・神理教を“本教(ほんきょう)”と記します)

 一年を長くする方法

年を取ると

 嫌な言葉ですが、年を取ると一年が短くなったように感じると、良く耳にします。

 確かに子どもの頃から成人・304050代と進むにつれ、最近は一年で三年分位取った気がします。広島では年を(ひろ)う≠ニいう前向きで素晴らしい言葉がありますが、やはり早く年を取りたくないものです。

 今月は一年を短くしない方法を考えたいと思います。

新しい年!

「7月は新しい年の始まりです!

 おめでとうございます!」等と言うと、夏も始まったばかりなのに、早くも暑さが頭に回ったか?年を取ったか?と心配される方も()られることでしょう。

 四季にメリハリがあり豊かな自然の中に暮らす日本人は、昔から一年を(いく)つにも分けるのが好きでした。

 7月が新年というのは、1〜6月・7〜12月とに分けて、(おの)(おの)を一年と見なす考え方です。

 他にも三つに分けて正五九月を初めとするだけでなく、一ヶ月或いは一日を一年或いは一生と見なす考え方もあります。細かく区切って(いち)(にち)(ひと)(とき)(いっ)(そう)(ゆう)()()にしようという()(らい)()()とも言うべきものです。

先ず大祓

 6月は31日に()()(つき)(おお)(ばらい)を行い、12月の(おお)(みそ)()と同じくその半年の(つみ)(けが)れを(はら)(きよ)めます。

 この原稿は(おお)(はらえ)()(せん)(がん)(そう)(じょう)を目指して、毎朝職員と共に大教殿で十巻づつ声を大にしてお(とな)えする

日々の内に書かせて頂いています。

 本院から自分自身と共に教信徒の皆様、更には日本中世界中の(つみ)(けが)れを(はら)わせて頂く、という(そう)(だい)な決意を持って(そう)(じょう)しています。

 近年は教会やご家庭でも各自で時間や巻数を決めて奏上頂いていて、百巻・千巻上げたというお話しを聞くことがあり嬉しく思っています。まず教内の皆様が大祓という(こと)(だま)を使ってご自身と世の中を良くしよう、という気持ちになって頂くことは素晴らしいことです。

 教内の大祓奏上運動は(こと)(だま)の活用と伴に、私達自身が世を良くするべきだ、という自己への意識付けでもあるのです。家庭や社会や日本や世界が良い方向に変わるには、まずその元である私達一人一人の心が変わりその方向に向くことが大切です。

 世の為人の為に奉仕して得る(ほう)(しゅう)は何でしょう?(ぞう)()神社側の出入り口の看板(今月用)の受け売りながら、報酬とは奉仕の対象の社会や人様の喜びです。

 私達はお金や物を得る為だけに働いているのではなく、生きるからには心の豊かさが必要です。

 そこが人と他の生き物との違いの一つであり、その意識を以て大祓詞を唱えるのも奉仕の一つなのです。

次に改革(自然の道)

 筆者も常に教えに照らしての自己や本教の改革を試みながら、7月という一つの新年に(ちな)(ほん)稿(こう)の改革を試みようと思います。題は平成3年1月から変えないものの、少しずつ増えて来た字数を約3千5百字から一気に1千5百字に減らします。より読み(やす)く、教えに近づいて頂ければと思います。

一年を長くする方法

 年齢が進むと一年が短くなる原因は、これも受け売りながら、()(れい)と共に知識が増え新しい事を知る必要性と機会が減るからだそうです。

 一年を長くする方法は何でしょう?その一つは、人としての在り方を伝える根本である、本教でしか学べない素晴らしい教えをこうして学び合う事です。

 筆者も生涯勉強と思い直し、物事の進め方や文章の書き方・話の聞き方や教話の伝え方・食生活や礼儀祭式等を、また一に戻って学び直したいと思います。

 一日一日を大切に本教を学びながら、共に充実した一生を、長く楽しく過ごせるようにしましょう。


季節のことば     暑中見舞い   7月20日〜8月7日(今年)

          
 暑中とは、夏の土用の18日間、即ち小暑から13日目の7月20日から立秋前日の8月7日(今年)までのことです。
 この期間に出すのが暑中見舞いで、立秋以後は残暑見舞いとなります。
 暑中と残暑の区別は暦を見ないとはっきりと出来ないものの、"暑中≠ヘただ夏の暑い期間という意味もあります。
 配達期間を考えて到着日に併せて出すのが良いのでしょうが、あまり日にこだわることもないようです。
 年賀状と同じく年に2回、普段会えない方とも旧交と無事を確かめる喜びとなればと思います。
 皆様には、今年も蒸し暑くなるであろう夏を元気に越せればとお祈り申し上げます。
 今月10日の大元稲荷社の夏越の祭には、そうした祈りを共に捧げて頂ければと再会を楽しみにお誘い申し上げます。