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                                                          2011−2

平成23年2月号 第1164号

        

自然(おのずから)(みち)   管長 巫部(かんなぎべ)(さち)(ひこ)

 

(古神道・神理教を“本教(ほんきょう)”と記します)

 幸福の方程式・(がい)(でん)

 (おお)(もと)(てん)(ざい)(しょ)(じん)に一度助けられた私達なのに、気が付けば又悩みの中にいる事は(さい)(さい)(おう)(おう)です。

 先月は、それをどう考えどう助かる方向に進むべきかというお話しをしました。1.七罪を抑え2.罪穢れを祓い3.長呼吸法で神気を戴き4.八徳で幸福を引き寄せる、という幸福の方程式を使おうという話しをさせて頂きました。しかしそれでも苦しいという人もいるようですから、今月は『幸福の方程式・(がい)(でん)』と題を付け、解決への手法をご一緒に考えたいと思います。

 

又悩む原因・三歩進んで二歩下がる

 ただ誤解の無いようにお話ししますが、本教の幸福の方程式は《皆が神{幸福}になる一番の近道》です。

 太古から(にぎ)(はや)(ひの)(みこと)(もの)(のべ)()(かんなぎ)()()に伝わり御教祖が大成された、これ以上の道はないのです。

 しかしこの手法は全ての信仰の中央を太く走る一本道でありながら、一旦いわゆる()(こん)の信仰をした人が(ちゅう)(こん)(じょう)(こん)の信仰に進む為の道ともいえます。

 下根といえども人の本性でもある信仰を忘れた人からすれば、異次元であり(はる)かなる高みでありながら、信仰のみを見ればこの太い道の第一歩です。

 私達は下根→中根→又下根と繰り返しながら、目標は上根に持って一歩一歩進んで行くものです。

 最初の頃は、一度天地がひっくり返るような驚きをもって助けられたにしても、日々の信仰を忘れると又振り出しに戻り一層(つら)い思いをすることがあります。

 振り出しどころか『信仰等やはり役立たずだった』というところまで戻る人もいるかもしれません。

 (まさ)に水前寺清子さんの昔の歌ではありませんが、『三歩進んで二歩下がる』どころか、もっと大きな(しん)(ぷく)を繰り返す私達の幼さが又悩む原因(1/2)と言えます。

 

外伝への手がかり

 幸福の方程式は、信仰を目指す人に初心上級を問わず・誰にも出来る・どれからでも手を付けられる・簡単且つ奥の深い・最も有効な教え・(にち)(じょう)の心構えです。

 しかし振り出しに戻った人にはこの方程式を辛抱強く繰り返す気力が残っていないようです。

 振り出しに戻った人には神前での御祈願や占いや御神宝等の神術から、もう一度大きな御神徳に驚く所から始めるしかないのでしょうか。

 しかし、柳の下に()(じょう)(なん)(びき)もいるわけではなく、同じ驚きが何度も続く事はありません。

 ここでご一緒に考えたい『外伝』とは、それでも御祈願や占いや御神宝等の神術は行いながら、苦しい心を取りあえず且つ元からどう直すかの心の持ち方です。

 

中根・上根への二段・三段ロケット

・先月の振り返り@・どう考え(受け取)るか

 一度助けられた私達が、再び次の悩みに直面すると気力を無くし()の考えに()まりがちです。そこで、

『自分は悪いことをしていないのに何故こんな目に遭わないといけないのかとの居直り(さか)(うら)み』や『(ばち)(たた)りかと恐れおののく』等に(おちい)ってはいけません。

 逆恨みをすればするほど取り乱して人に言えない事と隠してしまい→益々(つみ)(つつ)み・(かく)す)の上塗りとなり→(けがれ)(神からの()が・()れる)となるのです。

 それが例え他人からの(うら)みや(たた)りの現実化したものであっても、総体的に見れば神と祖先からの『幸福の為に道を正せ』とのお知らせと受け取るべきです。

 そう考えると、例え他人からの悪意も神のお知らせの一つと悟ることで、神祖に逆恨みをし・他人を憎む、という大きな罪からも(まぬが)れることが出来ます。

 御先祖や家族・自分を含めてのまだ祓われてない罪や、今も(ゆくり)(なく)(気付かずに)犯し続けている罪に気付くように(うなが)されていると受け取るべきです。

 (けがれ)()()れ)となる(つみ)(つつ)み・(かく)す)は幸福を遠ざける心の持ち方で、(しち)(ざい)(たい)(){()}(どん)(ぷん)(まん)(ゆう)(えん))から起こります。又家相・墓相・地相から来る、神と先祖の居心地の悪さ等も不幸・悩みの原因(2/2)です。

・先月の振り返りA・どう(解決への道)助かるか

 解決への道は家族や自分が(しょう)(がい)者となったり、家庭の問題や災難があった時と同じで、先ず1.ご自分の悩みを認め(正直)事実を受け止める事から始まります。

 次に2. (しょう)(がい)者や苦しむ人の立場に立ってその不安や希望や将来を考え→3.ご神前・教会長・教師・教友・信頼出来る人や医師に相談(自白)する事です。

 そして4.その悩みを共有する事で心を軽くし→5.『祈れ(くす)(くす))れ』で神徳を戴き、良い医師や薬にも巡り会えるのです。

 3.5.(はらい)は((つみ){=(くも)}(のぞ)かれ神の分霊である()が・(あら)われ神祖と通う)幸福を近づける心の持ち方で、(はっ)(とく)(けん)(こう)(せい)(じつ)(いん)(とく)(し(せ))(しゃ)(ろう)(えき)(あい)()(こっ)()()(はく))から起こります。又家相・墓相・地相が(ただ)され、神と先祖の居心地の良さ等は幸福・喜びの原因です。

・中根・上根への二段・三段ロケット

 加えて6.家族に障碍者や苦しむ人がいたから心が成長し自分達を振り返る事が出来→7.障碍を持ったあなたがいて良かった、との心境に至る事が出来ます。

 本教では祈りと神術と共に、教え(心の持ち方)で罪穢れを防ぎ、積極的に幸福を呼び寄せる部分で応援することになります。人が神の意志を実現するのです。

 そしてもしうまく納まったならば、今度こそ次のお知らせをしっかりと余裕を持って受け止められるように、すかさず『幸福の方程式』を(おこた)らず励みましょう。

 そしてこの御神徳と教えをもって中根・上根への二段・三段ロケット点火!とさせて戴きましょう。

 

(うらや)(さげす)(うと)み・(にく)みは自分で作る()(みの)(くに)(地獄)

・憎まれた人

 筆者はある時『人(部下)から憎まれていて、この事態を怖いし苦しく思う。何としても、この状態から救って欲しい』と求められた事があります。

 これだけでも2P最後の第1.(正直)と3P始めの3. 段階(自白)を乗り越えています。そこで先ず祈りと祓いを勧めたのですが、それでも(きょう)()(かん)(へい)(そく)(かん)から逃れられないがどうしたら良いかと問われるのです。

『祈りと共に(くす)(くす))れという方法もありますね』と伝えると、『自分に精神内科に掛かったり薬を飲めと言うのか』と問われました。(いじ)め≠ヘ大変きついものの、まだ心身症を(わずら)う程にはなってないようです。

 表層ではなく元から直すべきだと思いました。

・陰と陽

 下根→中根→又下根と繰り返す私達には世に悩みの種は尽きないもので、この方も今は下根以下に下がってしまい、幸福の方程式を使う元気もないようです。

 筆者は楽天家で、考えてみれば楽しみの種もまた尽きず《生きているだけで(もう)け物》等と脳天気に考えます。しかし、でも・でも・でも…と考え、成功よりも失敗した時の方を先に考える人もいます。

 楽天家と悲観家は陽と陰の関係のようなもので、そのどちらも世の中に必要で、お互いの程よい(かっ)(とう)が世の中を神の心に合わせて進ませているのです。

 行け行けドンドンばかりでは始末がつきませんし、失敗を恐れて何もしないでは他人・他会社・他国にも遅れ、世の中も(すた)れてしまいます。

 両方の調和が必要です。

 悲観(不安)を楽観(安心)に導く方がその反対に比べ難しいものの、本教の教えを活用すれば元から直す様々な方法が生まれてきます。

・自分で作る()(みの)(くに)(地獄)

 そこで筆者がお話ししたのは、

(うらや)(さげす)む・(うと)憎む等と悪意は深まり、それらが相まって(しち)(ざい)の7番目の(えん)(うら)み)となるのです。

 (たい)()(())(どん)(ぷん)(まん)(ゆう)(えん)の七罪は御教祖の伝える罪の(あっ)(こん)です。特にこの(えん)を抱くと、(みずか)らを(おと)しめるだけでなく、自分も人をも傷つけます。』次に、

『あなたを攻撃している人の顔や、その人が他人の悪口を得意そうに話す顔を見たことはないですか。

 自分だけが見つけた欠点とでもいうように・自分だけは悪口を言われまいとする小心な権力者のように・皆が笑うのを喜んでいると勘違いしているのです。

 それは地獄の鬼に責められる亡者のような顔ではないですか。私は(いじ)められるあなたに同情するけど、あなたを攻撃する人をもっと(あわ)れに思う。

 七罪は全てこの世で自分で自分の生き地獄を作ることながら、他人をもそこに引き込む(えん)(うら)み)は他の倍もきつい地獄です。』とお話ししました。

・心の持ち方・外伝1

 その方もその辺りではっと気が付かれたようです。

 そこで筆者は次のような提案をしました。

『あなたを攻撃する人の精神(四魂)の安定を、今日からお祈りしませんか。私もそうします。

 安定してない精神が負の作用をして(いじ)めとなるのだから、安定して幸せになる事を祈ってあげましょう。

 相手が安定するほどあなたにへの虐めも減るのですから、きっと双方に良い事です。』とお話しすると、

「少しホッとした」と言って下さいました。(続く)


季節のことば     立  春   2月4日頃(今年も4日)


 前日の3日に年4度の節分の一つが過ぎ、4日は立春で寒さの盛りながら早くも暦は春となります。
 この原稿を書いているのは12月の下旬ですから、暑かった夏の反動でまだ募るであろう寒さに若干うんざりです。
 しかし"春≠ニいう言葉は"神気が満ち張り≠フ意味もあり、"ハル≠フ語感自体も温かな季節への期待感が籠められて耳と心に心地よく響きます。
 "冬≠ノ"御恩頼≠フ意味があるように、もう昨年から付いたつぼみは多くが8分以上に膨らんでいます。
 生のエネルギーが一杯に詰まっているのは、つぼみだけではなく私達の心であり体でもあるのです。
 立春は正月節とも書かれ一年の初めですから、そうした自分を意識してそのエネルギーを解放する心持ちで元気を出しましょう。