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                                                          2007−7

平成19年7月号 第1121号

        

H.19. 7月号

自然(おのずから)(みち) 管長 巫部(かんなぎべ)(さち)(ひこ)

 生きる力

(神理教を“本教(ほんきょう)”と記します)

おかしな病気1 アレルギー病

 医学教授でもあり寄生虫学を研究されている、藤田(こう)一郎(いちろう)氏の講演を聴く機会がありました。

 最近環境問題などで世界全体がおかしい、という以前に日本の国がおかしいという話でした。

 花粉症が1971年に最初に発見されて以来急激な勢いで増え、今では5人に1人が(かか)っているそうです。

 筆者も最近は和らぎましたが、突然の鼻づまりやくしゃみが泊まらなかった時には、何が起こったのかと戸惑(とまど)ったものでした。

 アトピー性皮膚炎も10歳以下の子どもの約43%が(かか)っているそうです。

夏など全身を()(むし)って、赤く(ただ)れたり血が(にじ)んでいる子どもを見るのは(つら)いものです。

 これに気管支(ぜん)(そく)などを加えたものを、アレルギー病というそうです。

 これらは35年前にはなかった病気で、世界には今もない国も多くあるそうです。

 しかし欧米に増え、日本は(こと)に多いようです。

 

おかしな病気2 有毒細菌

 近年猛威を振るいだした鳥インフルエンザを始め、(オー)157やノロウイルス・レジオネラ菌なども他国に少なく、欧米や日本での被害が多いのだそうです。

 ごく最近大学を休講に追い込んだ麻疹(はしか)騒ぎも、是に関連するのかも知れません。

 O157の発生は最も清潔であった学校給食の現場から発生しましたし、貝割れ大根も畑ではなく清潔な工場で作られた物から発生したことを指摘

していました。

 O157やノロウイルスやレジオネラ菌なども昔から身の回りに存在する菌で、他の雑菌に比べると競争力の弱い菌だということです。

 鳥インフルエンザはカモ類と共生するように常駐する菌で、絶滅を叫ぶ人(日本人に多い)もいるがそれはカモ類を全滅させない限りとても無理だそうです。

 またそれを絶滅出来たとしても、他の生物にそうした菌は無数に存在するようです。

 鳥インフルエンザも昔からいたもので、最近の日本人が逆に弱くなった、ということのようです。

 

おかしな病気3 疾病(しっぺい)や精神病

 近年また自殺をする人が、年代を問わずに増えています。昔の子どもは今ほど執拗(しつよう)(いじ)めなかったかも知れませんが、虐められて死ぬ子はいなかったし、大人も(うつ)(びょう)の人はもっと少なかった、とのことでした。

 若者の性欲が落ちているのも日本の特徴ですし、遺伝とはいえアルツハイマーの発症率も増えています。

 同時に感性や情熱も萎縮(いしゅく)して、一昔前の三無主義(無気力・無関心・無責任)は社会の内側で確実に進行しているようです。

 (がん)を始めとする心臓や血圧など3大疾病(しっぺい)やリュウマチ等の発症率も上がっているということです。

 

生きる力((めん)(えき)(りょく))の低下

 人は誰でも毎日1千から8千の癌細胞が出来ているのに、毎日平均3千勝(ぜろ)負であるから発症しないのだそうです。

 たった1回でも負けると発症するのですから、その勝つ確率たるや、その2乗(じじょう)(2日)・3乗(さんじょう)(3日)と計算すると(すご)いというか天文学的な数字になります。

 それだけの確率で毎日癌に勝ち続けるのは、人の持つ(めん)(えき)(りょく)のお陰だそうです。

 しかしその免疫力が落ちているというのですから、恐い話です。

 おかしな現象1・2・3が起こるのは、免疫力の低下に原因があるという話しでした。

 免疫力は生きる力とさえ言えます。

 ではどうすれば免疫力を上げられるのでしょうか。

 

生きる力(免疫力)を上げる方法1 笑い

 リュウマチの患者さんを2つのグループに分けて、片や薬を飲んで(もら)い片や落語家のビデオを見せて大笑いしてもらったそうです。

 笑ったグループの方が尿酸値なども下がり免疫力があがった、というデータがあるようです。

 神道でも『笑いは祓いに通じる』と考えますし、邪気を祓うと信じます。

 ストレスを解消することで、生きる力が増すのです。

 

生きる力(免疫力)を上げる方法2 食物

 食べ物は大切で、40代の離婚男性の余命年数が少ないのは『手作り』の食事が少ないからだそうです。

 野菜・穀類・豆類・果物など植物性の食材を中心とした『手作り』の食事が大事だそうです。

 体内の有益雑菌の食べ物にもなっているそうですし、何より体力が付き生きる力が増すのです。

 また体内の有益な細菌を殺してしまう、防腐剤入りの食品や抗生物質の風邪薬などは、目先に有益でも長い目で見ると自らを傷つけることになるようです。

 

生きる力(免疫力)を上げる方法3 共生

 多様な雑菌があることで、危険な雑菌の活動を制限することにもなっているのだそうです。

 まな板や包丁など抗菌グッズ(製品)も、この理由から清潔なようで返って有益な菌の流入を邪魔している、というから不思議な気持ちになります。

 皮膚にも“乾燥肌”を防ぐ雑菌がいて、毎日石けんできれいに洗いすぎるとそれらを除去(じょきょ)してしまうのです。

 若い人で12時間・約40歳を越えると20時間、有害な細菌や紫外線で肌を傷めることになるのです。

「毎日お風呂にはいるのは良いけれど、石けんを使うのを2回に1回などに押さえましょう」ということでした。

 薬でうがいをして清潔にすることが、返って喉の病気や風邪の併発(へいはつ)(うなが)す、というのですから驚きです。

 

昔と今(免疫力の強い国と弱い国)の違い1

 実際に東南アジアなどでは、アレルギー病は皆無でその他の心身の病も少ないそうです。

35年前の日本も同じでしたが、どこが違うのでしょうか。

 回虫やサナダ虫などの寄生虫の体内保有率が現代人の約5%に比べ、70%以上違っていたようです。

 人間の通常の寄生虫は体内の細菌と共に、人から栄養を奪うものの抗癌・坑アレルギーの細胞を出現・活性化する物質を出していたのでした。

 1万年以上前から体の造りが変わっていない人間が、自ら変えた清潔で寄生虫のいない生活が、自らの健康を損なっていた、ということのようです。

 泥遊びをする幼児や、次男次女で若干清潔感の薄れた親に育てられた子どもの方が、発症の確率が低いということでした。

 1万年前の人類のように土に親しみ雑菌にまみれていれば、鳥インフルエンザを始め、(オー)157ノロウイルスレジオネラ菌などに犯されないということでした。

 藤田紘一郎氏は、体内に14mを越えるサナダ虫を飼っているそうです。

 名前は『きよみちゃん』で4代目、栄養を奪うのは返ってダイエットに良いとの事のようです。

 

昔と今(免疫力の強い国と弱い国)の違い2

 神祖に手をあわす時間、家族で団らんする時間も減ったと言うよりも無くなっているように思います。

本教もこれからの取り組みとして、本院・教会で手をあわせる時間を作れるように工夫したいと思います。

またそうした活動が、ご家庭で共に祈り心を触れあわせる安心の場作りに(つな)がることを期待します。

是非ご賛同下さい。

そしてご一緒に生きる力を高めあいましょう。