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                                                          2006−9

平成18年9月号 第1111号

        

H.18.9月号

自然(おのずから)(みち)  (さち) (ひこ)

自分を好きになる方法

 

性格を直したい

 教信徒の十代後半の女性と話した時のことです。

「私は自分の性格や顔つきが悪いと思うし、そういう自分自身に嫌悪感(けんおかん)を覚えることがあります。

どうしたら自分の性格が直せるのでしょう?」と言われるのでした。

筆者も十代二十代を振り返ってみれば、現在とは比べものにならないくらい自分自身の(いや)な部分が気になったものでした。

穴があったら入りたい、自分を消し去ってしまいたいような思いを何回も持ったことを覚えています。

そんな思いをするのは、不毛(ふもう)で苦しいことです。

 その時その女性にお話ししたのは、言葉遣(ことばづか)いについてでした。

「私は貴女と話していて、性格の悪さを感じません。

貴女は私とは丁寧(ていねい)にお話しされるが、ご家族とはどうですか?

誰とでも(へだ)てなく言葉遣いを丁寧にすれば、自分自身への嫌悪感も自然に消えるものです」

 

方法@言葉遣いー言霊(ことだま)

万葉集(*1まんようしゅう)にも『倭国(やまとのくに)は…言霊の(さきわ)う国…』や『倭国は言霊の(たす)くる国』などとあり、日本人は大昔から言葉の使い方を大切にし、或いは(おそ)れてきました。

*1万葉集<現存最古の歌集。二十巻。仁徳(にんとく)天皇(てんのう)皇后(こうごう)(410年代)の歌から淳仁(じゅんにん)天皇の歌(759年)まで約350年間の長歌・短歌など約四千五百首を収録。東歌(あずまうた)防人歌(さきもりうた)など豊かな人間性に基づき、現実に即した感動を素直に表す歌が多い>

 結婚式などで『お幸せに』と言う言葉を使えば幸せになることを言祝(ことほ)ぎ、反対の言葉を使えばそうでなくなるという現象を畏れたのです。

 (きたな)い言葉を使えば心も(けが)れます。

 神理教の言霊学の教えにも、穢れは“気・枯れ”で、即ち神様から戴く気が枯れて生きる力を失ってしまうことです。

 そんな時『自分は性格や顔つきが悪い』と思い込み、必要以上に心の力も弱まるものです。

 だから言葉遣いに気をつけていつもきれいな言葉を使えば、本来の性格の良さや顔つきの良さが前面に出てくるし強い心が持てるのです」というお話をしたところ、「えっ!、そんなことで性格が良くなるのならば是非試してみたい」とのことでした。

 人は元々神の子なのですから、生来(せいらい)の悪い性格や顔つきを持っている人はいません。

 綺麗(きれい)な言葉を使う人は、性格や顔つきも元に戻って綺麗になることは、明らかなことです。

 このあたりに確信が持てるようになるのが、信仰の(あか)しのように思われます。

 

方法A祭式作法

 心や顔が綺麗になるためにもう一つお(すす)めしたのは、本院や地方の講習会で行う祭式の研修でした。

 神理教の教師とはいえ、普段お祭りをする機会の少ない方もおられます。

 年に二回の本院大祭や教会の大祭や月次祭(つきなみさい)には祭官奉仕をしても、家祓(やばら)いや地鎮祭や厄祓(やくばら)いなどのお祭りを(ほとん)どしない教師もおられます。

 しかし何故こんなに熱心に、講習会に参加され祭式を体を使って学ぼうとされるのでしょうか。

 やはり若い女性で本院の講習会から帰られた後、ご家族も本人も大変喜ばれているという話を聞きました。

 それは講習会の講話も聞いたものの、祭式を行ったことから本人が変わったというものでした。

 家族に対する言葉遣いや態度が大きく改善された、というのです。

 神や祖先を敬うための祭式によって、神や祖先という大きな尺度(しゃくど)に先ず形から、続いて心が沿うことが出来たからではないでしょうか。

 祭式の練習は、ただ祭りを行うためだけでなく、神と祖先に尺度を合わせる具体的な手法でもあるのです。

 ここに気がつき、これをもう一つの大きな目的と知れば、祭式はただきつい痛いだけではなく、形から入る心の修行と(はげ)む力が出てきます。

 七月の本院の講習会は、小・中・高等学校の青少年が祭式に励みましたが、必ずや心も素直に育つ(かて)を得たことでしょう。

 

方法B七罪八徳

 その時は紹介しなかったものの、本教の教えである七罪八徳を心の鏡として自分を見直すことも方法の一つです。これも七月の本院講習会や、地方でも講義がありました。

 即ち、(おこた)り・(いつわ)り・(むさぼ)り・(いきどお)り・(おご)り・(うれ)い・(うら)み、の七罪であります。

 また、健康(けんこう)誠実(せいじつ)陰徳(いんとく)施捨(せしゃ)労役(ろうえき)愛他(あいた)克己(こっき)自白(じはく)の八徳であります。

 毎朝お化粧をするように、怠りや偽りの心がないかを確かめることで、自分の心の汚れに気付きます。

また、健康や誠実を保とうとする心がけが、自然(おのずから)自身の心を清めます。

こうした点検と修理を神と先祖に祈る気持ちを持って行うことで、心も顔つきも綺麗になるのです。

 

方法C書き出す

 手前みそですが、思えば本教には日常に役立つ教えが数多くあります。 これをお読みの皆様方も、この他に本教の教えを活かした『自分を好きになる方法』をお持ちのことと思います。

 思い返せば筆者は中学・高校時代、精一杯背伸びをしながら自分の未熟な思いをノートに書き出すことをしていました。

 見返すと、(ほお)を染めるようなことを書いています。

 慣れない文を苦労して書き出すことは八徳克己であり、それを原稿にして出すことは自白です。

 是非原稿として本誌にお寄せ下さい。

 不幸を感じる方は、これらを行っているか振り返られて下さい。

これらの行いを実行することは、必ずご自分を見直し自身を好きになることにつながるのです。