(おのず)(から)(みち) 364 管長 (かんなぎ)()(さち)(ひこ)

 (古神道・神理教を“(ほん)(きょう)”と記します)

()(ふだ)扱いと合祀問題

 先月に続き、高校時代の同級生とのラインでのやりとりから、古い御札の扱いについて、共に考えられればと記してみます。

 先ず、以下のような質問を受けました。

(-1.同級生

お坊さんと神主さん(=筆者)にお伺いです。

昔に頂いたお札やお守りって1年過ぎたら返さないといけんのやろ(=返すべきよね)

遠くて行けないお寺・神社(例えば成田山新勝寺や日光山輪王寺・名古屋熱田神宮など)のお札はどうすればいい?

-1.同級生のお坊さん

私ん(=)ところに持ってきたら、ご心抜きして焼いてあげます。

-2.お寺でいただいたお札は宗派が違うところに持って行くと「失礼」との話を聞いたことがあるけど・・・・。

-2.お坊さん

大丈夫。法力が違います。

-1.2.筆者

神社仏閣によって解釈が違うやろけど、神理教の場合は、紙や木のお札は痛むので一年位で替えるのを目安としとう(=してます)

年末かどんど焼きの時に、持って来て貰って納札し、その際、新しいのを拝受するよう

お勧めしとる。

まあ、忘れる時もあるので、期日はあんまり気にせんでいいかな。

ほんとは元の神社仏閣にお返しするのが良いんやけど、うちでも多分同級生のお寺でも、近くの神社仏閣でも年中ええと思うよ。

まあ、あんまりあちこちで貰わんことやね。

-3.お礼

うわ〜、貴重な情報ありがとうございました!!。ではお寺でもらったお札・お守りはお坊さんに、神社でいただいたのは筆者んとこにお願いしようっと!

『あんまりアチコチでもらわんこと』やね!心しておきます!

-3-1お坊さん

いいよ、たくさん貰い。下手な鉄砲も、ですよ。何が当たるかわからんし。

-3-2筆者からお坊さんへ

法力が有るのと、数打ちゃ当るは矛盾してないと?

神社仏閣にとっちゃあ、お土産を含めてあっちこっちで買って貰う方が経済が回って良いんやけど(^^)

お祓いに行った時、神棚見てっち(=見るように)言われて、開けたら、神社仏閣のお札がぶあっーと飛びだす家があるんよね。

いろんな神仏1箇所に詰め込むの、私は気持ち良くないなー。

大切に思う所を1?2箇所、出来たら系列の違うお札は、場所変えた方がいいと思う。

仏教は知らんけど、例えば、嫁さんの実家の先祖の面倒見ちゃる(見てあげる)とか、一見心が広く優しいように見える人もおる。

そこで、複数の家の先祖を自分の家の神棚・仏壇の1箇所に入れてそれで良しと考えるようやけど、それと同じに思うんよね。

-3-3お坊さん

神仏一緒は、いけんですね。

正確に言えば、私に法力はありませんが、阿弥陀様に絶対的なみ力があります。

ですから、敬虔な思いは天神地祇土公木一切に働くと、習っています。

もう一つ、ご存じのように、例えば一人っ子同士の結婚の場合、両親先祖の(ごう)()の問題は避けられない重要事です。

それに真剣に向き合い、状況に応じた柔軟な解決策を一緒に考えることが重要かと思います。愚見ですが。お許しくださいませ。)

 以上のようなやりとりがありました。

 最後はぐだぐだな言い訳のようで、仏教では答えが見えないように感じます。まあ、

 やたらに御札を求めて数打ちゃ当たるは、後を考えた時、避けた方が良いようです。

 また、両親先祖の合祀問題は、仏教では話し合いで決めるようです。

 本教では、一つの家で二つの家の先祖は、基本的に合祀しない方が良い、とします。

 親切心は理解出来ますが、同じ部屋に他人同士で住まされるのと同じで、ご先祖同士が気兼ねを強要される結果となるのです。

従って、これも基本的にお嫁さんの先祖を、お寺か神社や本教の祖霊舎に永代祭祀すること、をお薦めしています。

 

()(きょう)(かい)(じゅっ)()(じょう)((りゃっ)(かい)(しょう)(かい))41

第四条(わざわい)いを()(やまい)()ゆる厚き神徳を

    忘るることなかれ10

4)信仰の正邪4

*誠の信仰

 本教に祀られる(あめに)(ます)(もろもろ)(のかみ)は、天地の全てに行きわたって存在されます。

 (筆者付記

本教の主祭神である天在諸神は、他教のようにその教祖が決めたり、御利益の神が進化してた存在を、闇雲に信じるものではありません。

人類・民族の叡知として自然に形成されると共に、殊に本教では霊魂の()()や木火土金水の()(ぎょう)働きの意義を持つ大元の神す。)

 例えば、人の誕生に際しては、受精してから母の胎内の十月の間、五行それぞれの働きから生まれ出る事が出来るのです。

(筆者付記

 この場合の五行の働きとは、のような精子と卵子が(こと)(あまつ)(かみ)五柱から霊魂を賦与されて受精し、が形を成すように人の形となります。

 そして、が枝を伸ばすように手足指が出来、が灯るように心臓が動き、のように骨と体が固まり出産となる事を指します。)

 そして、生まれた後も一生の間、前に後ろに付き添ってお守り下さいます。

(筆者付記

 そのお守りは多岐にわたりますが、例えば、は耳・腎臓・膀胱、は口・脾臓・胃、は目・肝臓・胆嚢、は鼻・肺臓・大腸を守る、等です。)

 また、帰幽後も、罪の祓われた人の本魂である(さき)(みたま)を大元の神の()(もと)に、(にぎ)(みたま)(うぶ)()()(おお)(かみ)御許に引き寄せられます。

 そうなると、霊魂の安定を得られると共に、子孫の守護となる産須根神としての楽しみを永く戴けるのです。

 従って、この神への信仰の正しさに気づく事で、感謝や孝行への向上心が湧きますから、神はまたその心を愛でて下さいます。

 そうなると、その神のお働きも作用して、禍いや病は、自然と除去される事となります。

                (つづく)

令和3年4月号 No.1286  2021-4
戻る