歳祝い

 日本人が誕生日を祝うのは、生まれて一年目の誕生日だけで、それ以後は正月を迎えるたびに歳を重ねて数える、いわゆる数え年というのが戦前までの風習であった。戦後、満年齢、つまり誕生日を迎えるたびに歳を重ねるのが普通になり、誕生日を祝う習慣も一般化した。
 しかし、歳祝いは、今でも数え年で祝うのが普通である。
 六十歳―還暦 本卦がえりといって、生まれた年と同じ干支の年に還ることからこの名がある。赤い頭巾やチャンチャンコを贈るしきたりがあるが、これは赤子にかえるという意からである。
 七十歳―古希 「人生七十古来稀」からとったものといわれる。平均寿命の短かった昔は、七十歳まで生きるということは稀だったのであろう。
 七十七歳―喜寿 喜の字の祝いともいう。「喜」という字は、草書体にすると「七」が三つ重なっているように見えるところから喜寿と名づけられた。
 八十歳―傘寿 傘の略字が八十と読めるところから八十歳の賀の祝いとなった。
 八十八歳―米寿 米の祝いともいう。「米」という字を分解すると、八・十・八になるところから名づけられた。 
 九十歳―卒寿 「卒」という字の草書体が、九十と読めるところからきた。
 九十九歳―白寿 白の字に一を加えると百になるところからいう。あと一歳で百歳という意である。 


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